制限がないと預金が尽きるまで買ってしまいそう……ということでパートナーから提案された「レコード購入予算月1万円」企画。今回は2023年11月号をお送りする。
- 購入予算は月1万円 ※送料を除く
- 購入時にはパートナーの承認を得る
- パートナーと出かけたときに買ったレコードは予算外
先月の記事をアップした後、パートナーから「あなたの懐事情は気にしてない。私が気にしているのは我が家のスペース!」と指摘された。筆者は物欲の塊で、すでに本だけで一部屋使っているような有り様。なるほど、これでレコードが幅を利かせてきたらさすがに危険だ。
とは言いつつも、またいっぱいレコードを買ってしまうのだった……。
シリーズ 「俺のレコード予算が月1万で済むわけない!」シリーズを読む
単独購入編
AT PIZZAEXPRESS LIVE IN LONDON (LIMITED EDITION 180g VINYL)
アーティスト:edbl
レーベル:PX RECORDS
フォーマット: LP
発売日:2023/8/21
購入価格:4,180円(新品)
日本人アーティストとのコラボレーションでも話題のプロデューサー/アーティスト edbl(エドブラック)がジャズクラブ・PIZZA EXPRESSで行ったライブ音源。
なんとなくネオソウルが聴きたいなと思っていたが、エリカ・バドゥ以外でしっくりくるアーティストが見つからなかった。先月、たまたま聴いたedblがあまりにもよくて、ネオソウルのプレイリストに加えた。
数々の作品のなかからライブ盤をチョイスした理由は生の雰囲気がクリアに収められているから。その場の空気が感じられるのが良い。
どの曲も捨てがたいが、「Cigars」(A-4)をおすすめしたい。ビートとボーカル、中盤のフロウが心地良い1曲だ。
PROFONDO ROSSO: LIMITED VINYL
アーティスト:Goblin
レーベル:CINEVOX
フォーマット: LP
発売日:2023/7/20
購入価格:3,960円(新品)
サスペンス映画『サスペリアPART2』のサントラ。
『サスペリア』のサントラが好きで、音楽を調べたらイタリアのプログレバンド・Goblinが演奏していると分かった。それからサブスクでGoblinの作品をいろいろと聴いていたら、いつの間にかハマっていた。
「PROFONDO ROSSO」(A-1)は不穏なテーマ、差し込まれるドラムのスリリングなフィルなど、聴きどころが多い曲で、何度も繰り返し聴きたくなる。
氷の世界
アーティスト:井上陽水
レーベル:ポリドール
フォーマット: LP
発売日:1973/12/1
購入価格:580円(中古)
井上陽水の3rdオリジナルアルバム。
レコードを買いはじめたとき、陽水の作品はすごく売れたからどこでも安レコになっていると聞いたが、レコード店で見るのは状態の悪い『断絶』ばかりだった。『断絶』も良いが、私がまず買いたいのは『氷の世界』なのに。ネットで探してみるとかんたんに見つかったので、購入した。
改めて聞いてみると陽水の声が若い!これも良いが、その後のこなれた感じのボーカルのほうが好みだ。
9.5カラット
アーティスト:井上陽水
レーベル:フォーライフレコード
フォーマット: LP
発売日:1984/12/21
購入価格:380円(中古)
井上陽水のセルフカバーアルバム。
『氷の世界』と比べて、この頃には陽水の形が出来上がっていた。安全地帯のカバー「恋の予感」(A-5)「ワインレッドの心」(B-4)は悲哀のある玉置浩二のボーカルのほうが合っているように思うが、飄々と歌う陽水バージョンもなかなか良い。
夢芝居
アーティスト:梅沢富美男
レーベル:キングレコード
フォーマット: EP
発売日:1982/11/21
購入価格:480円(中古)
梅沢富美男の1stシングル。
今ではバラエティ番組のイメージが強い梅沢富美男だが、歌手としての一面もある。「夢芝居」(A)は小椋佳のメロディラインが完璧で、「恋のからくり 夢芝居」の歌い出しからガッツリ心をつかまれる名曲だ。B面「茶々」の荒々しいボーカルも悪くない。
まとめ
タイトル | アーティスト | 購入価格 |
---|---|---|
AT PIZZAEXPRESS LIVE IN LONDON | edbl | 4,180円 |
PROFONDO ROSSO | Goblin | 3,960円 |
氷の世界 | 井上陽水 | 580円 |
9.5カラット | 井上陽水 | 380円 |
夢芝居 | 梅沢富美男 | 480円 |
合計 | 9,580円 |
ギリギリセーフ!!
パートナー同伴編
ゴッドファーザー オリジナル・サウンドトラック
アーティスト:ニーノ・ロータ (カルロ・サヴィーナ指揮オーケストラ)
レーベル:パラマウント
フォーマット: LP
発売日:?
購入価格:2,280円(中古)
言わずと知れた名作映画『ゴッドファーザー』のサントラ。
「メインテーマ」(A-1)や「愛のテーマ」(B-1)など、聴いているだけで映画のワンシーンを思い出せる曲が多い。ライナーノーツが充実していて、映画のあらすじや作曲者であるニーノ・ロータの略歴などが紹介されており、興味深かった。
グラデイション
アーティスト:工藤静香
レーベル:ポニーキャニオン
フォーマット: LP
発売日:1988/11/30
購入価格:3,980円(中古)
工藤静香の1stベストアルバム。
もともと、工藤静香の楽曲はかなり好みだ。収録曲では「MUGO・ん…色っぽい」(A-1)「FU-JI-TSU」(A-3)「抱いてくれたらいいのに」(A-5)「Again」(B-2)「禁断のテレパシー」のシングル曲は文句なしに名曲だし、シングルのB面だった「群衆」(A-2)「If」(B-3)「愛が痛い夜」(B-5)も静香っぽいクールな曲調で良かった。
さそり座の女
アーティスト:美川憲一
レーベル:クラウンレコード
フォーマット: EP
発売日:1972/12/20
購入価格:980円(中古)
ものまねや紅白歌合戦でよく披露された美川憲一の代表曲。
今月購入した作品のなかで、とくに驚いたのが「さそり座の女」(A)。美川の歌唱が小気味よく軽やかで、後年のねっとりとした印象とは大きく違う。このバージョンが聞けただけでも満足だ。
BEGINNING
アーティスト:竹内まりや
レーベル:RVC
フォーマット: LP
発売日:1978/11/25
購入価格:640円(中古)
竹内まりやの1stオリジナルアルバム。
シンガーソングライターとしてのイメージが強い竹内まりやだが、『BEGINNING』では山下達郎、林哲司、細野晴臣、大貫妙子など錚々たるメンバーから楽曲提供を受けている。
イントロの哀愁漂うギターが印象的な「ジャスト・フレンド」(B-1/作曲:告井延隆)が良かった。
プロローグ〈序幕〉
アーティスト:中森明菜
レーベル:ワーナー・パイオニア
フォーマット: LP
発売日:1982/7/1
中森明菜の1stオリジナルアルバム。明菜のLPは計4枚買ったのだが、それぞれいくらだったか失念してしまった。レシートを見たところ合計3,850円だった。
80年代のアイドルソング然とした曲もあるが、「あなたのポートレート」(A-1)、「イマージュの翳り」(A-3)、「条件反射」(A-4)、「銀河伝説」(B-1)などドラマチックで陰のある曲が好みだ。デビュー曲「スローモーション」の初々しい声も良い。
バリエーション〈変奏曲〉
アーティスト:中森明菜
レーベル:ワーナー・パイオニア
フォーマット: LP
発売日:1982/10/27
中森明菜の2ndオリジナルアルバム。
しんみりとしたストリングスが響く「イントロダクション」から勢いのある「キャンセル!」(A-1)がはじまる流れに心がつかまれる。「ヨコハマA・KU・MA」(A-5)では表現に広がりが見え、サビのでスッと抜く歌声がハマっていた。外せないのは代表作でもある「少女A」(B-2)だ。歌もさることながら、間奏のギターと裏打ちのドラムが楽曲のスリリングなイメージを形作っている名曲。
NEW AKINA エトランゼ
アーティスト:中森明菜
レーベル:ワーナー・パイオニア
フォーマット: LP
発売日:1983/8/10
中森明菜の4thオリジナルアルバム。
ビート感の強い「少しだけスキャンダル」(A-3)が流れると空気が一気に引き締まる。まさか横浜銀蝿がバックバンドを務めた曲だったとは驚きだ。アルバムのなかでダントツにクールな曲。
BEST AKINA メモワール
アーティスト:中森明菜
レーベル:ワーナー・パイオニア
フォーマット: LP
発売日:1983/12/21
中森明菜の1stベストアルバム。
とりあえず初期の明菜が聴きたいなら、このアルバムを買っておけば良い。ハズレなしの超名盤。
まとめ
タイトル | アーティスト | 購入価格 |
---|---|---|
ゴッドファーザー オリジナル・サウンドトラック | Nino Rota | 2,280円 |
グラデイション | 工藤静香 | 3,980円 |
さそり座の女 | 美川憲一 | 980円 |
BEGINNING | 竹内まりや | 640円 |
プロローグ〈序幕〉 | 中森明菜 | 3,850円 |
バリエーション〈変奏曲〉 | ||
NEW AKINA エトランゼ | ||
BEST AKINA メモワール | ||
合計 | 11,730円 |
今月のまとめ
今月はいくら使ったのかな?
種別 | 購入価格 |
---|---|
単独購入編 | 9,580円 |
パートナー同伴編 | 11,730円 |
単独購入編の予算月1万円はギリギリでクリア。パートナー同伴編では、明菜を大量に見つけてしまったのと、静香が結構お高めだったのが影響して1万円を超えてしまった。どれも良い作品だったので、満足!
12月の単独購入編はすでに予約購入で枠をオーバーすることが確定しているので、パートナー同伴編で名盤と出会うことを期待するしかない。