ライブをやるからには、本番前にリハーサルをやるのが当たり前です。
しかし、ステージに立つ側でないと、リハーサルで何をやっているか分からない部分が多いですよね。
このエントリーでは、ライブ前のリハーサルについて書いていきます。
リハーサルでやっていることを教えて!
機材の状態確認
初めて出演するライブハウスであれば、常設の機材を触るのもその日が初めてです。
どんな音が出るのは実際に機材を触ってみないと分かりません。
いつも出演しているライブハウスでも、機材の入れ替えをしている可能性もあるし、故障していることもあります。
ドラムで多いのが、シンバルが割れてる。これめちゃくちゃ多いです。
そんなときもリハーサルで気づいていれば、ライブハウスのスタッフさんが本番までに予備の機材と入れ替えてくれます。
リハーサルがないと本番直前で故障が判明して、散々慌てたあげく最悪壊れた機材のままライブをすることになることも…。
そんな状態でも気づかないライブハウスはどうなんだ!
客席で聞こえる音の確認
移動できる楽器のメンバー(ボーカル、ギター、ベースなど)はリハーサル中に客席に下りて自分たちの演奏を聞くことが多いです。
実際に客席に下りて聞くことで、お客さんに聞こえる音はどうなのか確認できます。
ボーカルの音量が足りないと感じれば、PAさんにお願いして上げてもらう。ギターがうるさいので音量を下げてもらう。
など自分達の好みの音に直すこともあります。
実際お客さんが入ったときには、音が変わる事もあるので、PAさんと相談しながら決めることが多いです。
モニターの確認
メンバーの近くにはコロガシというモニターがあります。メンバーの前にある黒い箱のことです。
このモニターからいろんな音を返してもらっています。
この返しのリクエストもリハーサルの中でPAさんにお願いするんです。
私がPAさんにお願いするときはこんな感じ。
ドラムでーす!ボーカルとベースを強め、ドラムセット全体をうっすらくださーい!お願いしまーす!
私がドラムを演奏する時は、クリック(メトロノーム)をイヤフォンで聞きながら叩いています。
そうなると耳栓をしながら演奏しているようなものなので、ボーカルや、ベース、自分の音もあまり聞こえません。
たとえばボーカルのアカペラからスタートする曲があった場合は、入りが分からなくて演奏がグタグタになる可能性があります。
しかし、モニターからボーカルを返してもらえば、そんなことにはなりません。
照明さんのタイミング確認
実はかなり重要なのが、照明さんのタイミング確認です。
対バン形式だと、1つ1つのバンドの曲すべてを把握している照明さんはなかなかいません。
リハーサルで曲の流れを聞いて、照明の流れも考えてくれます。
マイナーなバンドのライブに行ったことがある人は分かると思いますが、曲に対して照明が遅れるをの見たことがあると思います。
これは照明さんが、その曲を把握していないことからくる遅れです。
それもそのはず、初めて担当するバンドでリハーサルは2曲、本番5曲とかになると初見で3曲対応するわけですからね。
照明さんにはできるだけ多くの情報を与えないといけません。
そもそもライブ前にちゃんと音源送って聞いてもらいなさいよ!
関連記事 「いいライブがしたいならPA&照明スタッフさんをファンにしよう!」を読む
リハーサルってどんな流れで進むの?
1.進行表の提出
厳密にはリハーサルの一部ではないのですが、ライブハウスに入ったら、スタッフさんから進行表をもらいます。
進行表=曲順表なので、
1.○○○
2.×××
–MC–
3.△△△
︙
というように書いてスタッフさんに渡します。
この進行表はPAさん、照明さんにも渡るので、「この曲は赤い照明メインでお願いします」みたいなメモを書いておきます。
2.サウンドチェック
機材のセッティングが終わった順に、PAさんから声がかかります。
今回はドラム→ベース→ギター→ボーカルと進んだ場合を例とします。
まずドラム。サウンドチェックの中でドラムが一番時間を使います。
PAさんから「バスドラからお願いしまーす」と言われたら、1打1打ゆっくりチェックしていきます。ドン・・・ドン・・・ドン・・・ドンという具合です。
次にスネア、ハイハット、タム、金物(シンバル)を単体で同様にチェックしていきます。
ひと通り終わったら、PAさんから「3点でお願いしまーす」 or 「全体でお願いしまーす」と声がかかります。
ここで初めてドラム全体を使ってリズムパターンを叩きます。
※3点と言われた場合はバスドラ、スネア、ハイハットのみ
ここまでがドラムのサウンドチェックです。
これ以降はベース、ギターが、使う音色をひと通りチェックしたあとに、ボーカルとコーラスをチェックして、バンド全体のサウンドチェックは終わりです。
3.モニターの注文
次に各メンバーごとにモニターの注文を出します。
※モニターとはメンバーの近くにある黒い箱みたいなやつのこと。要望したパートの音を返してもらえる。
ボーカル、ギター、ベースの人たちはリズムがズレないようにドラムの音を返してもらうことが多いですね。
4.いよいよ曲のリハーサル
ここまで終わったら、やっとライブで披露する曲を演奏します。
突然曲を演奏しはじめても、PAさん・照明さんはどの曲なのか分かりません。
演奏する前に、先ほど提出した進行表に書いた演奏順と曲名を伝えます。
「本日3番目に出演させて頂きます○○(バンド名)です。1曲目の○○(曲名)をやります。よろしくお願いします」って感じです。
実際に演奏が始まったら、メンバーはモニターの返しを確認したり、客席に下りて全体の音を確認したりします。
だいたい1番が終わるぐらいまで演奏したら、演奏を止めて、PAさんにモニターの音量調整や、照明さんにタイミングのお願いします。
これを2,3曲やりながらPAさんや照明さんにバンドの要望を伝えます。
ここまででリハーサルは終了です。
リハーサルの豆知識ってある?
本番とリハーサル 持ち時間の違い
本番のタイムテーブルは、Aバンド(25分)ー転換(15分)ーBバンド(25分)というようにバンドの入れ替え時間を転換時間として確保してあります。
この転換時間を使って前のバンドの片づけと次のバンドのセッティングが行われます。
リハーサルのタイムテーブルは、Aバンド(25分)ーBバンド(25分)というものが多く、転換の時間がありません。
なので、転換の時間を引いて、実際にリハーサルに使えるのは10~15分といったところです。
順リハ、逆リハ
リハーサルには順リハと逆リハというものがあります。
順リハ…出演順にリハーサルをする。
逆リハ…出演順と逆の順番でリハーサルをする。
一般的には逆リハが多いですね。では、なぜ逆リハが多いんでしょうか?
逆リハの場合
リハが終わった順に機材を機材置き場に置いていきます。
そのため、出番が早いほど機材置き場の手前に機材がおけるので、本番のセッティングがスムーズに進みます。
順リハの場合
順リハの場合は、出番が早いほど機材が奥に入ってしまうので、いざ自分の出番になった時に機材を取り出すのが一苦労です。
そのため、逆リハが主流なのだと思います。(えむ調べ)
これだけ見ると逆リハでいいじゃんとなるんですが、逆リハだと待ち時間が長くなることがあります。
自分の出番がトリだと12時入り、本番21時なんてこともありますから、その時は本番前に待ち疲れしてしまいます。
演奏技術自慢するマンが出現
たぶんヴィジュアル系だけだと思うんですが、リハーサルの時に自分の技術を自慢するマンが出現します。
ドラマーに多い気がするんですが、サウンドチェックで当日使うリズムパターンを叩けばいいのに、自分こんなのできますよって誇示してくる人がいるんですよねー。
ツーバスの世界記録にチャレンジするぐらいの勢いでドコドコやるマンとか、突然ラテンのリズムパターンやってみるマンとか。
実際の曲にそんなところないじゃん!っていうのをこれでもかとアピールしてきます。
ベースはあんまりそういう人を見たことないし、ギターはSUGIZOリスペクトマンか、速弾きマンがたまにいるぐらいなんですけどね。
まとめ
かなり長くなりましたが、リハーサルについてまとめるとこんな感じ。
- 機材の状態確認
- 客席で聞こえる音の確認
- モニターの確認
- 照明さんのタイミングの確認
- 進行表の提出
- サウンドチェック
- モニターの注文
- 曲のリハーサル
- リハーサルの持ち時間には転換時間が含まれている
- 順リハと逆リハがある
- 演奏技術自慢するマンがいる
普段お客さんとしてライブを見ているだけでは分からないリハーサルについて書いてみました。
こういう裏側も分かりつつライブを見ると、さらにライブがおもしろくなるかもしれませんよ!
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